株式会社新日本出版社 〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-25-6 TEL03-3423-8402 

全巻の構成

●第一巻 小説1(1916~1919年) 「貧しき人々の群」「日は輝けり」「禰宜様宮田」「面積の厚み」「一つの芽生」「地は饒なり」「三郎爺」「風に乗って来るコロポックル」「津軽の虫の巣」「一つの出来事」「美しき月夜」「渋谷家の始祖」

●第二巻 小説2(1920~1926年) 「いとこ同志」「加護」「宵」「我に叛く」「南路」「午市」「黄昏」「猿」「火のついた踵」「唖娘スバー」「光のない朝」「顔」「古き小画」「対話」「二つの短い話」「伊太利亜の古陶」「心の河」「或る日」「小村淡彩」「格子縞の毛布」「七階の住人」「秋の反射」「杏の若葉」「墓」「氷蔵の二階」「部屋」「蠅」「縫子」

●第三巻 小説3(1927年~1927年) 「伸子」「一太と母」「牡丹」「白い翼」「沈丁花」「海浜一日」「明るい海浜」「街」「高台寺」「白い蚊帳」「未開な風景」「帆」「毛の指環」「一本の花」「ヴァリエテ」(資料「冬眠」)

●第四巻 小説4(1928年~1934年) 「赤い貨車」「ピムキン、でかした!」「ズラかった信吉」「ペーチャの話」「共同耕作」「舗道」「一九三二年の春」「だるまや百貨店」「刻々」「小祝の一家」「聟」「鏡餅」「鈍・根・録」

●第五巻 小説5(1935年~1943年) 「乳房」「突堤」「雑沓」「海流」「道づれ」「猫車」「築地河岸」「鏡の中の月」「二人いるとき」「その年」「日々の映り」「杉垣」「おもかげ」「広場」「三月の第四日曜」「昔の火事」「夜の若葉」「朝の風」「紙の小旗」「雪の後」「杉子」「今朝の雪」

●第六巻 小説6(1946年~1947年) 「播州平野」「風知草」「二つの庭」

●第七巻●第八巻 小説7、8(1947年~1950年) 「道標」(第一部・第二部・第三部・資料)

●第九巻 評論・感想・小品1(1917年~1928年) 「親しく見聞したアイヌの生活」「アメリカ文士気質」「花袋・秋声の祝賀会に際して」「野上弥生子様へ」「芸術家と国語」「ジムバリストを聴いて」「貧と富の自覚」「法律的独立人格の承認」「有島さんの死について」「処女作より結婚まで」「異性の何処に魅せられるか」「文字のある紙片」「田端の坂」ほか

●第十巻 評論・感想・小品2(1928年~1931年) 「モスクワ印象記」「ロンドン一九二九年」「子供・子供・子供のモスクワ」「ニッポン三週間」「プロレタリア美術展を観る」「三月八日は女の日だ」「新しきシベリアを横切る」「ワーニカとターニャ」「ワルシャワのメーデー」「文壇はどうなる」「文芸時評」「新たなプロレタリア文学」「『処女作』より前の処女作」「ソヴェト労働者の夏休み」ほか

●第十一巻 評論・感想・小品3(1931年~1934年) 「飛行機の下の村」「プロレタリア文学における国際的主題について」「モスクワの姿」「『モダン猿蟹合戦』」「文芸時評」「婦人と文学の話」「ゆがめられた純情」「働く婦人の結婚と恋愛」「共産党公判を傍聴して」「同志小林の業績の評価に寄せて」「前進のために」「小説の読みどころ」「マクシム・ゴーリキイの人及び芸術」「石油の都バクーへ」「社会主義リアリズムの問題について」「現実の問題」「母」「『婦人文芸』発刊について」「今日の文化の諸問題」「近頃の感想」「小説の選を終えて」「入選小説『毒』について」「電車の見えない電車通り」「作家への課題」「見落されている急所」「ツルゲーネフの生き方」ほか

●第十二巻 評論・感想・小品4(1934年~1937年) 「冬を越す蕾」「バルザックに対する評価」「個性というもの」「坪内先生について」「新しい一夫一婦」「芸術が必要とする科学」「女流作家多難」「私の会ったゴーリキイ」「作品のテーマと人生のテーマ」「鴎外・漱石・藤村など」「自然描写における社会性について」「『大人の文学』論の現実性」「藤村の文学にうつる自然」「パァル・バックの作風その他」「文学における今日の日本的なるもの」ほか

●第十三巻 評論・感想・小品5(1937年~1939年) 「若き世代への恋愛論」「ヒューマニズムへの道」「今日の文学の鳥瞰図」「職業婦人に生理休暇を!」「山本有三氏の境地」「婦人作家の今日」「中国に於ける二人のアメリカ婦人」「ペンクラブのパリ大会」「全体主義への吟味」「オリンピック開催の是非」「夜叉のなげき」「映画の語る現実」「今日の文学の展望」「歴史の落穂」「知性の開眼」「キュリー夫人の命の焔」ほか

●第十四巻 評論・感想・小品6(1939年~1940年) 「芭蕉について」「婦人の文化的な創造力」「三つの『女大学』」「フロレンス・ナイチンゲールの生涯」「新入生」「自信のあるなし」「漱石の『行人』について」「鴎外・芥川・菊池の歴史小説」「文学精神と批判精神」「音楽の民族性と諷刺」「昭和の十四年間」「幸福の感覚」「科学の常識のため」「若い娘の倫理」「リアルな方法とは」「『婦人と文学』初出稿」ほか

●第十五巻 評論・感想・小品7(1940年~1945年) 「列のこころ」「ものわかりよさ」「婦人の読書」「古典からの新しい泉」「若き精神の成長を描く文学」「新しい美をつくる心」「"健全性"の難しさ」「昭和十五年度の文学様相」「科学の精神を」「女性の歴史の七十四年」「ケーテ・コルヴィッツの画業」「国民学校への過程」「キュリー夫人」「子供の世界」「シートンの『動物記』」「女性の手紙」「友情のもつ複雑さ」「バルザックについてのノート」「ベリンスキーの眼力」ほか
●第十六巻 評論・感想・小品8(1945年~1947年) 「新日本文学の端緒」「婦人民主クラブ趣意書」「歌声よ、おこれ」「みのりを豊かに」「人民戦線への一歩」「婦人の創造力」「私たちの建設」「幸福のために」「婦人の一票」「新しい躾」「メーデーに歌う」「一票の教訓」「信義について」「三つの民主主義」「現代の主題」「『女らしさ』とは」「世界の寡婦」「政治と作家の現実」ほか

●第十七巻 評論・感想・小品9 (1947年~1948年) 「女性の歴史」「自覚について」「社会生活の純潔性」「一九四六年の文壇」「戦争でこわされた人間性」「その檻をひらけ」「社会と人間の成長」「生きるための恋愛」「明日をつくる力」「婦人と文学」「プロレタリア文学の存在」「一九四七・八年の文壇」「真夏の夜の夢」「愛」「両輪」「共産党とモラル」「新しい卒業生の皆さんへ」「離婚について」「悔なき青春を」「世界は平和を欲す」ほか

●第十八巻 評論・感想・小品10(1948年~1949年) 「戦争と婦人作家」「前進的な勢力の結集」「平和への荷役」「わたしたちは平和を手離さない」「便乗の図絵」「偽りのない文化を」「批評精神は開放の組織者である」「近刊予定のもの、執筆中のもの」「平和運動と文学者」「今日の日本の文化問題」「ファシズムは生きている」「平和をわれらに」「その柵は必要か」「私の書きたい女性」ほか

●第十九巻 評論・感想・小品11(1949年~1951年) 「日本は誰のものか」「新しい抵抗について」「ジャーナリズムの航路」「権力の悲劇」「アメリカ文化の問題」「新しいアジアのために」「講和問題について」「婦人デーとひな祭」「五〇年代の文学ある問題」「再武装するのはなにか」「現代文学の広場」「戦争・平和・曲学阿世」「心に疼く欲求がある」「私の信条」「若き僚友に」「日本の青春」「世界は求めている、平和を!」「『道標』を書き終えて」ほか

●第二十巻 遺稿・覚え書、補遺 今回初めて発表される、アイヌ村に取材した長編未定稿「遥かなる彼方」をはじめ、「伸子」時代の遺稿や「禰宜様宮田」「乳房」「播州平野」「風知草」「道標」などの作品構想を記した創作メモ、関東大震災やプロレタリア文学時代の克明な調査の跡をとどめる覚え書きなど多数収録する。補遺九編。

●第二十一巻~ ●第二十五巻 獄中への手紙1~5 治安維持法で起訴され、獄中で不屈にたたかう夫宮本顕治に書き送った九百通近い手紙。日々苦しくなる戦時下の生活報告や、検閲の網目をくぐりながらも自在に語られた読書論・文学芸術論であるとともに、夫への愛情をとおして、困難な中で自らを見つめ、成長、脱皮をとげた作家の希有な人間記録。百合子の文学および生涯をとらえるために欠くことのできない文献。詳細な注を付。新収録十三通。

●第二十六巻~ ●第二十九巻 日記1~4 日々の向上を求めてやまない十四歳の少女時代から、処女作や「伸子」執筆時代、「滞ソ日記」、プロレタリア文学運動への参加を経て、夫顕治の公判闘争を克明につづった「公判日記」、空襲と疎開、戦後の民主化闘争に奔走する日々など、死の直前までの波瀾万丈の生涯の記録。現存する十数冊の日記や手記は、百合子の目覚めと人間成長の内的閲歴をまざまざと明らかにする貴重な資料となっている。

●第三十巻 ●第三十一巻 書簡1、2 家族や友人・知人に率直に語りかけ、人生に対する真摯さに貫かれた幼児から没年にいたるまでの、約八百五十通の手紙。新しく収録される久米正雄、野上弥生子、大熊信行、鷹野つぎ、矢田津世子らへの手紙をはじめ、夫顕治にあてた戦後の手紙、「伸子」時代・滞欧中の湯浅芳子あての手紙なども時系列で収録する。新しい研究を踏まえて詳細な注を付す。

●第三十二巻 ●第三十三巻 習作1、2 いくらかの幼さを伴いつつも、自分を誠実に成長させようとする努力、不幸なものへの愛、生活や人間へのリアルな追求心と感受性にあふれる、十三歳から処女作「貧しき人々の群」発表までに書かれた習作・小品をすべて収録。口語訳『源氏物語』に深く印象を受けて描いた「錦木」をはじめ、「貧しき人々の群」の原型とされる「農村」や「お久美さんと其の周囲」など少女時代の研鑽の跡をとどめる七十五編。

●付・別冊 年譜・全刊行書目録・総索引